誇り高き男の物語
◆武田・浅井・織田・羽柴・徳川に仕えた鷹匠・小林家鷹の物語。 落城前日の小谷城の場面から物語は始まる。 武田に仕えていた頃に目にした白鷹を、家鷹(このときは家次と名 乗っていた)は 苦労してこの白鷹を捕らえ、馴養して自分の鷹とする。 白鷹は権威・権力の象徴として武将に好まれ、信長より家鷹の名を 賜った後も、 ひたすら鷹匠としての毎日を過ごす。 お市の方への恋慕、韃靼人・メルゲンとの交流を織り交ぜ、 戦国の世を乗り越える清冽な生き様を描いている。 城を作る職人が様々な武将の依頼で城造りに励むのと同様、 鷹匠もまた、武将の興亡を見つつ、鷹と一体となることのみに専心 する。 地位や名声とは別の価値観によって生きることの清々しさを教えてく れる作品。 現代の鷹匠が描く挿絵の素晴らしさも特筆すべきであろう。 装画は藤枝出身の画家・北村さゆりさんである。 この作品のあと、安土城築城を描いた「火天の城」が発表された。
「静なる力強さ」
私、熟読してしまいました。昨今、内容の希薄な小説がやたらと目に付く中で、文体良く、調査内容の深さ、塾考性の有る本を、久々に発見しました。 マンネリ化する歴史小説の登場人物の中で、目新しい主人公「天下一の鷹匠と謳われた小林家鷹」の、戦国時代を生き抜いた 「静なる力強さ」に感銘しました。 歴史小説の中で小気味良くストーリー展開がなされ、読者に対する、情景描写のもって行き方もうまく、息付く間のない間だに読み終えて終う、長編小説は、仲々無いと思います。
鷹匠が見た信長
本書を読んで小林家鷹という戦国時代を生きた鷹匠のことをはじめて知ったが、なかなか魅力的な人物である。どんな時代であっても、ひとつの技術を極めた人間は自分を見失わない生き方をするのだろうが、天下布武の号令のもと、時代を生き急いだ信長に天下一の鷹匠として寄りそった家鷹の眼は温かくも鋭い。信長の人物像はこれまでも数限りなく書かれてきただろうが、鷹狩りという戦国武将にとって欠かせない事業のなかにくっきりと刻み込まれた信長の姿には、また新たな側面が加えられたといっていいのではないだろうか。鷹狩りについてもいろいろなことを教えてくれる本書は、ぜひ多くの読者に手にとってほしいお薦めの本である。
時代を超えた秀作です
歴史小説ファンはもちろんのこと、知的探究心 旺盛なビジネスマンや第一線で活躍中の のすべての方に読み応えある。戦国武将 たちのロマンと野望を描ききっている大作です。 最近は価値観の崩壊現象と何かと冴えない 時代でもあり。パラダイムの変換が急速に 起こっている時代でもあります。そんな今この一冊 白鷹伝は戦国武将の成すすべのない時代に翻弄されつつ も鷹匠としていきる男の姿が生き生きと描かれています。
祥伝社
雷神の筒 いっしん虎徹 火天の城 千両花嫁―とびきり屋見立帖 弾正の鷹
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